
2013年の8月、夏休暇を利用しベトナムのホーチミンへと出かけてきました。
なぜベトナムへといわれれば、
美しい刺繍製品と本場のベトナム料理にたくさん出会いたかったからです♥
はたして、どのような旅となるでしょうか?
では、いざ出発 いたしましょう。
成田空港より17:25分に旅立った飛行機は、
約6時間のフライトを経て夜半21:45にホーチミ国際空港に到着。
今日はそのまま宿泊先のシェラトンホテルへ向かいます。
翌日は6時に起床、
朝一番で朝食をすませ、サアお散歩にでかけましょう。
ベトナムの人々はなんとも優しげ、
体も小柄で細い人が多く、何となく控えめに話しかけてくる様子が日本人とどことなく似ています。
しかしながら通勤時間帯のバイクの波はかなり
スゴイ
一人乗り・二人乗り、さらに学校へと子供を送りとどけるお母さんは前に後ろに子供を乗せて、
皆ガンガン走り抜けていきます。
信号待ちしているバイクの集団は、まるでスタートを待つ陸上選手のよう!
フライングはあたりまえ、信号無視に逆走に、歩道にまで乗り上げての走行に圧倒
実にエネルギッシュですね~♦
ベトナムの首都ハノイよりも発展しているホーチミン市には、
外資系のホテルが立ち並び観光客相手のお店がたくさんあります。
宿泊したシェラトンホテルは、日本の銀座道りといわれているドンコイ通りにあり
通り沿いにはたくさんのレストランやショップが立ち並んでいました。
それではさっそく、今回の旅で出会った刺繍製品の数々をご覧いただきましょう。
まずは、お花とトンボさんの布バックです。
手刺繍の美しさもさながら、
縫製もとても丁寧で内側にはポケットがたくさん付いています。
また、少し光沢のある地色もそれぞれ上品で
今回のお土産はこのバックに決定、6点ほどを購入しました。
次は、麻の黒地の小さめなお買い物バックとお財布です。
布製のお財布はぜひ探したいと思っていた品。
普段は革製のものを利用していますが、和装の折や薄いバックの時にぜひと思っていました。
ベージュピンク地に優しげな野花がデザインされた上品な二つ折のお財布には、
ちゃんとファスナー付きの小銭入れがついています。
それとミモザの花束が刺繍されたテーブルクロスとナフキンのセットは、
特別な日のお食事用にしましょう。
最後にペルシャ絨毯のお店で並べてあったショールに目が離せなくなりました。
人も品も出会った時がその時・・・
と勝手に理由をつけてチョット贅沢しました ♥
パシュミナにシルクの手刺繍が施されており、
オリエンタルな感じがエトロさん風です。
ベトナムでこんな出会いがあると思っていませんでしたが、
安いお値段もさながら、その歴史を感じさせる異国的なデザインと
フワッと肩にかけた時の柔らかさ打たれてしまったようです。
ウーン
本物の力は素晴らしい、大切に長く愛用したいと思います♥♥
しかし今から思えば、もっとお安く購入できたのかも? なんて気もしますが、
初めての土地での出来事は、少し損をしてもタクシーに遠回りをされても
良しといたしましょう。
あのはじめてだからこそ感じるワクワクと
心にまた一つ新しい景色と思い出が増えたことに感謝をして幸せ気分に浸りましょうね。
手先が大変器用と言われるベトナムの人々、
洋服もオーダーが基本で、
アオザイだけでなく今風のワンピースやブラウスなどとっても安く
1日か2日で仕上げてくれるのです。
オーダーのできる店舗は多数アリ、
シルクからしゃれた更紗風の布地までさまざまに選ぶことができ、
スタッフの方々も日本語を大変良く勉強していてチャント通じますので、
次回にはぜひトライしてみたいと思います。
最後に一番美味しかったお料理をご紹介しましょう。
フォーや生春巻きなどとてもヘルシーで健康的なベトナム料理。
味付けも日本人に合っており、野菜も豊富です。
訪れたのはホーチミン10区の
レストラン「Lang Nuong Nam Bo」
ガイドブックにはあまり登場しない地元に人たちに人気のお店です。
どうしても海鮮料理を食べたかった私たちは
指を二本カチカチさせるジェスチャーでカニを注文。
もう絶品としか言い様のない美味しさ。
追加オーダーしてお店の人たちに笑われましたが、
とにかく満足のいく晩餐となりました。
とても素敵、ベトナムの旅
次回は、とても印象深く心に残った
お花の香りのお話をご紹介します・・・。
2013年8月2日
京都の「ない藤」さんでしつらえた夏ぞうり は、
パナマの台に側面を白のパール加工した皮で仕立てたもの。
パナマは本来、紬や小紋の着物に合わせたぞうりですが、
皮をあしらうことでもう少し格の高いお着物にも使用できます。
ある紳士が「夏の着物姿は本当に美しいですね」
とおっしゃっていましたが
幼い頃、真夏のギラギラした日差しの中を、白い日傘を片手に涼しげに足を運ぶ着物姿のお姉さんを見て目を奪われた記憶が鮮明に残っています。
はたしてその時より、いつかあのような憧れの着物姿を・・・と願ってきました。
暑いのをお首にも出さず、見る人をも涼しげに感じさせる着こなしが夏着物の第一でしょう。
本当は暑いのですよ。モチロン
しかしながらオシャレは時として、努力と我慢が必要なのですね。
とにもかくにも、私もあの時のご婦人を思い描きながら
暑くないナイ、絶対に暑くナイと、暗示をかけ夏着物にチャレンジです。
京都・宇野商店さん主催の夏茶会は「祇園祭」の趣向で、それは楽しいお席となりました。
2013年 祇園祭の禿さんに選ばれたご当主の息子さん慎一郎くんは、小学三年生の元気な男の子。
千年も続いてきた祭事のお稚児さんや禿に選出されることは大変名誉なことですが、
ご家族にとっては様々な儀式しきたりを経ての大事になります。
祭りのあいだ、稚児は神の使い”生き神様”へとその姿をかえ 禿も稚児を護る大切なお役目を担っているのです。
その祇園祭も七月三十一日に無事終了しお祝いも兼ねての茶会は、
長刀鉾をかたどった背丈ほどもある床飾りや 引き車を模した風炉と釜、
そして祇園祭を何よりも愛したという織田信長が、八坂神社の神紋を模してつくったモッコウ紋のはいった風炉先屏風などの 祇園祭の趣向に、
先斗町から呼び寄せた芸者さんの舞とお座敷までついた華やかなものとなりました。
以前、京うちわで有名な「阿以波(あいば)」さんを訪れたとき、
ご主人から幼い息子さんをお寺さんのお手伝いに行かせている、とのお話をうかがいました。
何もわからない子供でも、この千年の都に継承されてきた行事に参加することで、
その場に漂う空気感や大人たちの交わしている会話などが
自然と肌身にしみついていくのでしょう。
京都の伝統は、このようにして守られているのですね。
宇野さんの慎一郎くんも茶会でお運びのお役をつとめ
子供らしい愛嬌のある笑顔やタタミに頭をするほどの深いおじぎの仕草で場をなごませていましたが
禿さんという大役をすませたばかりだったからでしょうか、
八坂神社の神様のご威光がまだその内に残っているような、そんなふうに感じられたのでした。
今回は、ゴブラン織りやペルシャ絨毯など舶来の品々を山鉾飾りにしつらえたことに習って
わたしも舶来の更紗でまとめてみました。
数寄屋袋は 数年前に仕立てたお手製のインド更紗、古ぶくさは生徒さんからいただいた江戸更紗です。
このような素敵なお席にお誘いいただきました公文先生に、
この場を借りまして心から感謝申し上げます。
2013年7月
はじめてこの地を訪れたのは、いつだったでしょうか?
そびえる穂高連峰からそそぎこむ梓川の豊かな水
から松やクマザザの生い茂る神秘的な森
足元に静かに咲く山の花々
そして夏を忘れさせるかのようなヒンヤリとした冷気
これほどまでに自然が保たれている場所は稀有といえることでしょう。 まだ行ったことのない方は、ぜひ訪れてみてください。
2年前にはリュックを背に涸沢(からさわ)まで登山したわたしですが、
今回はオットとひと時の癒しの旅です。
電車とバスを乗り継いでようやく夕暮れに到着、ホテルまでの道筋を歩いていると
香りが違うことにすぐさま身体が反応します。
柑橘のように爽やかで透明感のある心地よさに身を任せていると、
アララなんだか涙がでてきそう・・・。
あまりの不思議な感覚に旅が終わるまでズッと、この香りの謎を考えることになるのでした。
荷物を置き、夕食までの時間を利用して大正池までお散歩に出かけましょう。
景観を損なわないようにしつらえられた木の桟橋を行くと
ホタルブクロ や 白い唐松草 、蕗の丸葉 や 野あざみ
が静かに風に揺れています。
夕暮れのせいか人気もまばらな中、月の輪熊の出没も報じられて、
ちょっと、イヤイヤ大分オドオドしましたが、
大正池で出迎えてくれたのは人懐こいカモさんたちでした。
上高地の生き物は人を恐れないということで有名です。
翌日も登山道を歩いていると茂みから突然ニホンザルの一団が横切りました。
頭の小さなそれは可愛らしいお猿さんでしたが、何よりも威嚇はもとより警戒心も遠慮も何もなく
当たり前のような自然なふるまいに
本来の人間と動物との関係は、このようなものだったのでしょうと、なんだか嬉しくなりました。
この地は何かにつけ原点を思い出させてくれる貴重な場所なのですね。
満ちる間際の月はみえるものの 雲がかかっていて星の姿が見えません。
以前来た時には
満天の星空に 大きな天の川 がどうどうと横たわるように流れていて
それはそれは感動したものです。
そしてあのロマンティックな七夕伝説が誕生したのも納得できるなあ
などとひとり思ったものでした。
確かあの時は夕立があってずぶ濡れになり、夜には晴れたものの
月はでていなかったはず。
月明かりが星のまたたきを邪魔するなんて思いもしませんでした。
が、わたしたちの頭上には 、かくも星が散りばめられているですね。
ロマンという甘い言葉が失われつつあるといわれる所以は
こんなところにあるのかもしれません。
そうそう、森の香りのお話でしたね。
たった1泊の旅でしたが、あのすべてを浄化するかのような尊い香りの感覚を、どのように表現したらよいものか
東京に戻ってからも記憶をたぐり探し求めていました。
そんな時、巡りあったのです。 そう、この香りとても近い ♥
それが モヒート です。
今、若者に人気となりつつある流行りのお酒
私もこのお酒をはじめて口にしたとき、あまりの美味しさと完璧さに感動すらおぼえました。
基本は、ラム酒(バカルディが有名)とライムとフレッシュミント、
そしてクラブソーダ(炭酸水)にグラスを満たすタップリの氷。
モヒートは、はじめにグラスに投げ込んだ
ライムと生のミント葉を
ギュッギュッとつぶしてつくります。
皮付きゆえに青い柑橘の爽やかさに独特の苦味が加わり、生葉ゆえにミントの薬効を感じるハーブ臭が加わるのでしょう。
もう、何ともいえない配合の見事さ ♥
そうです。この感じなのです。 上高地のあの森は・・・・・・。
普通の避暑地の森では感じることのできない、
熊笹の抹茶のような青い芳香に 雪解け水に育まれた苔の香り、
そして自らの身を守るために備わった樹木が抱く殺菌成分の放散が、この森の香りを作り出していたのでしょう。
お酒の香りと森の香りが通じるなんて不思議ですね。
果たして、あなたはどのような印象をいだかれるでしょうか
ぜひぜひお出かけになり、身体全体で感じてみてください。
2013年7月
浄土の花
出雲大社などをめぐった折の旅路の蓮花です。
その蕾は、朝日とともに開いて閉じるを繰り返し、
3日ほどで力を失うかのようにハラリと花びらを落として花托を残すのみとなります。
蓮のその香りは、フワッと淡く静かにたちのぼり
暑さにむせぶ人々をつかの間、常世へと誘うのです。
本当に美しいですね ♥
仏教の世界では「仏は大海に咲いた蓮華の上に現れる」とされています。
泥の中に咲く神秘的な花 “蓮”
やがて結実した自らの実の重さに頭をもたげ、種を水中へと落として生涯を閉じるこの植物に
格別な思いを抱かれる方も多いことでしょう。
私自身も水面からスクッと真っ直ぐに突き出し、ユックリと蕾を開かせる姿をながめる時、
まるで光が集められていくかのような眩しさを感じるのを不思議に思うのです。
以前作成した「蓮の実のポプリ」には、再生を願って終焉を迎えた蓮の花托と、
同じく命をつなげた様々な木の実を合わせて伊万里の器に盛り付けました。
香りには、キラキラと輝く水面のように光る”極品の龍脳”をもちいましょう。
龍脳木の結晶であるこの香料は、清涼感あふれる香りの中に、
天まで届くかのような力強さを秘めており、このポプリを薫らせるにふさわしいことでしょう.
貴方も龍脳の香りを聞く機会がありましたら、ぜひ“蓮の姿”を思い浮かべてみてください。
2013年7月
ご訪問ありがとうございます。
香りと室礼サロン「香り花房」を主宰しています宮沢敏子です。
このたび、遅ればせながらブロク「雪月花」をオープンしました。
日々の暮らしの中で、眼にとまったり 心に寄り添ってきた
小さな出来事をつづっていきたいと思います。
もちろん、香りのおはなしもたくさんお伝えしますね。
どうぞよろしくお願いします♥