雪月花
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ブログ更新 その92  京都「杉本家」花会

2019年8月4日

 

梅雨明けと同時に猛烈な暑さに見舞われた日本列島。

皆さま、体調大丈夫でしょうか?

 

外に出た途端に砂漠の地に降り立ったような、そんな気持になりますね。

 

こんな時は、無理をしないでスローペースで過ごすのが一番です。

どうぞ、無事に夏を乗り越えてください。

 

久しぶりのブログです。

6月そして7月に伺いました二つの会は、じつに趣深く日本の美の神髄を感じさせるものでした。

 

祇園会「杉本家」花会

重要文化財 杉本家住宅

 

京都の祇園祭は、

山鉾巡業とともに旧家の秘蔵品を飾る屏風祭りも見どころの一つといえるでしょう。

かつて『奈良屋』の屋号で呉服商を営んでいた杉本家は、

端正な伝統的意匠の建造物として国の重要文化財に指定され

現在は(財)奈良屋記念杉本家保存会が維持運営にあたっています。

 

 

2019年6月1日・2日の二日間、

花人である川瀬敏郎先生は、この住宅において花会を催されました。

 

朝一番に到着し幔幕のはられた屋敷に入ると、

空気は一変し時代を一気にさか戻ったように感じます。

 

表戸口から内玄関へ、さらに中庭を経て座敷に上がると

各部屋には、江戸時代のお軸や扇面を描いた華やかな屏風、

明の獅子香炉に支那簾さらに斑竹の文房棚や画帖など

 

国物、そして唐物の一級の品々がしつらえられていました。

 

それらを背景として生け込まれた先生の花は、

まるで昔からそこにあったかのようにしっとりと寄り添い飾られ

植物たちも、ここにいることがとても嬉しそう。

 

部屋を巡るごとに私の心はドンドン満たされ、いっぱいになっていきます。

 

 

当日は、初夏とは名ばかりの大変暑い京都でしたが、

前栽・中庭・坪庭・露地庭と300坪といわれる敷地に造作されたお庭によって

室内には心地よい風が通り抜けます。

 

窓から差し込む陽射しは、庇によってやわらぎ程よい明るさ。

 

これを日本家屋の妙というのでしょう。

 

ただただ、全てに感動するばかりでした。

 

 

 

2019年8月4日 up date
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